協会について

一般社団法人アクアポニックス推進協会は、技術的・経済的に持続可能なアクアポニックスシステムの研究・開発・実証・普及を通じて、現代社会が直面する食料、環境、エネルギー、資源の課題に対する統合的な解決を目指します。さらに、持続可能な未来の実現に向けて、人々の健康と生活の質を向上させ、社会全体の発展に貢献することを目的としています。

アクアポニックスの歴史

アクアポニックスの歴史は、約1000年前のアステカ文明に遡ります。彼らは「チナンパ」と呼ばれる浮島で農作物を栽培し、魚の養殖と組み合わせる持続可能な農法を実践していました。同様に、中国南部やタイ、インドネシアなどアジア各地でも、水田で魚を育てる伝統的な農法が存在し、これが現代のアクアポニックスの原型となりました。

1970年代、アメリカのニュー・アルケミー・インスティテュートやノースカロライナ州立大学の研究者たちが、魚の養殖と水耕栽培を結びつけた現代的なシステムを開発。「アクアポニックス」という言葉がこの頃生まれました。その後、1990年代にはアメリカやオーストラリアを中心に、商業用アクアポニックスが普及し始め、環境負荷を低減する新しい農業技術として注目を集めます。

2000年代以降、技術がさらに進化し、センサー技術や自動化の導入により効率が向上。都市部での持続可能な農業として採用が拡大しました。今日では、食糧不足や環境問題に対応する革新的な解決策として、アクアポニックスは世界中で広がり続けています。

参照：https://aquaponics.co.jp/blog/history-of-aquaponics/

市場の動向

アクアポニックスは世界各地で急速に普及し、持続可能な農業の代表的な手法として注目されています。アメリカでは商業規模のアクアポニックス農園が190以上存在し、最大規模の農園は年間約13億円の売上を誇ります。また、技術革新による効率向上や環境負荷の低減が進み、IoTやAIを活用したスマート農業が普及しています。

市場規模も拡大しており、国際市場では2024年から2032年までの年平均成長率が約16%（2032年9200億円）と予測されています。特にアメリカやオーストラリアでは、オーガニック食品市場の成長や消費者の地元産・高品質な農作物への需要増加により、アクアポニックスの需要が高まっています。国内市場でも、2024年から2032年の年平均成長率が約17%（2032年515億円）とされており、大規模農場や都市型施設の導入が加速しています。

また、日本では地方創生や観光、障がい者雇用、教育など多様な用途でも活用が進んでおり、地域課題の解決や環境負荷の軽減に寄与しています。このように、アクアポニックスは地域や規模を問わず、世界中で多様な形態で成長を続けています。

市場の動向

代表理事の挨拶

アクアポニックス推進協会は、技術的および経済的に持続可能なアクアポニックスシステムの研究、開発、実証、普及を通じて、現代社会が直面する食料、環境、エネルギー、資源の複合的課題に対する統合的な解決を目指しております。また、これらの活動を通じて、次世代の農業モデルとしてのアクアポニックスを確立し、持続可能な未来を支える新たな枠組みを構築していくことを使命としています。

私たちは、産官学の緊密な連携を基盤に、地域社会と連動した教育・人材育成プログラムを推進し、次世代を担う若者たちや各種ステークホルダーにアクアポニックスの可能性を広く伝えています。地球規模の課題に対応するためには、多様な分野からの協力と知見が不可欠です。

これからも、アクアポニックスを中心とした循環型社会の実現に向けて、社会全体の持続可能性向上に貢献してまいります。皆様の温かいご指導・ご協力・ご参加を賜りながら、より良い未来の創造に邁進する所存です。何卒よろしくお願い申し上げます。